1/10ﾍﾟｰｼﾞ目 その日、 私は久しぶりにＰＣの電源を入れた。 ネットに繋がる前の数分間に、私は自問自答を繰り返す。 ──もし、蓮と今まで通りに話すことが出来なくなっていたら？ もうチャットには行かない。 メッセンジャーも削除する。 ──蓮が好きっていう気持ちは？そんなに簡単に消せるものだったの？ 春人が現れたから？ 自分のことを好きと言ってくれる人が身近に出来たから？ 私が欲しかったのは、「彼氏」と呼ばれる位置に存在する人？ 誰かの「彼女」と認められる存在でいる自分？ ──違う。 私が欲しいものは、 私が求めているのは、 ネットに繋がればメッセは自動的に立ち上がるように設定してある。 メッセのログインが完了すると同時に、私がメッセを立ち上げていなかった間に届いていたＰＭがあることを告げるオフラインメッセージのボックスが現れた。 友録（友達登録）している人たちから、音信不通を心配しているメッセージ。 そして、 その中に、蓮からのＰＭも含まれていた。 蓮 悪い、仕事の電話入ってた……って、落ちるの早っｗ 送信日時は、あの日私がメッセ落としてしばらくしてからの時間だった。 蓮 |-゜)チラッ。 |彡サッ 梨花、いねぇし ヽ(`Д´)ノつまんねー 私がログインしない間、毎日ＰＭ送ってくれてたみたい。 ──良かった。 嫌われていたわけでも、無関心でいられたわけでもなかったんだ。 蓮からの一番新しいＰＭ。 今日の４時頃に送られたメッセージに書かれていたのは、 蓮 なんかあったら、いつでもメールしてこい 人生経験豊かなおにーさんが相談にのるぞｗ その後に書かれていた携帯のメアド。 蓮はまだメッセにログインしていない。 このまま、メッセからログアウトして、 ヤフーのＩＤを削除して、 メッセをアンインストールしてしまえば、 自分を好きだと言ってくれる春人のことだけ好きになれば……、 それが一番いいことだよね？ [指定ﾍﾟｰｼﾞを開く] ＜＜重要なお知らせ＞＞@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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