ジョセフ・キブウェテレ



ジョゼフ・キブウェテレ(Joseph Kibweteere 1932年生)
 [ウガンダ共和国・カルト指導者]


 長年に渡り敬虔なカトリック信者であり、ローマ・カトリック教会の神父をしていたジョゼフ・キブウェテレは、1984年頃からキリストと聖母マリアから啓示を受けたと主張するようになった。この発言をめぐってカトリック教会と仲たがいして破門されると、1989年に「神の十戒の復活を求める運動」を立ち上げた。ウガンダ南西部の町カヌングの郊外に教団の本部を設立すると、聖母マリアから「1999年12月31日にこの世が滅びる。信じるものだけが天国に行くことができる」というメッセージを聞いた、と説いて回り信者の獲得活動を行った。入信の際は全財産を捧げるように信者に要請し、その集めた資金で教団の敷地内に学校、店、農場などを建設した。地元警察は「信者たちはみな真面目で、よく働き、危害はない。周囲の村に対して手本となる良いコミュニティ」だとして教団を歓迎すると、貧しい層を中心に入信者が増えていった。1999年当時には約5千人程度の信者が存在していたとされる。

 ジョセフは信者たちに会話する事を認めず、手話を使うことを強要した。人間の会話には不可避的に嘘が混じってしまうので、「嘘を言ってはならない」というモーセの十戒の項目に反してしまうのを避けるためであった。また、「この世の終わりが近づいている」という理由で子どもを産むことを禁じ、男女間の性行為は夫婦であっても一切許さなかった。食事は1日に2回、石鹸の使用を禁じ、信者全員に緑色のユニフォームを着用させた。

 しかし、1999年12月31日が何も起こらなかったため、ジョセフは「マリアからXデーを延ばすという啓示を受けている。その日は2000年3月17日だ」と主張を改め、2000年3月17日に備える名目で新教会の建設に着手し、信者たちに「この教会は来るべき大惨事においてノアの方舟の役割を果たすであろう」と説教していた。

 教団に対し疑問を持つ信者に対しては毒入りコーラを飲ませ殺害し、遺体を教会の床下や壁の中に遺棄した。やがてその行為が日常茶飯となっていった。そして2000年3月17日朝、信者たちに対し、「もうすぐこの世の終わりがやって来る。一緒に天国へ行こう」と訴え、信者全員を新教会へ集合させた。その直後、爆発音と共に建物から出火、新教会は瞬く間に炎に包まれ、信者全員が焼死した。遺体は炭化したものや完全に灰になってしまったものばかりで、正確な死者数は分かっていないが、毒殺された人数を合わせて約4千人が亡くなったとされている。

 事件当初は集団自殺だと見られていたが、その後の捜査の結果、大量殺人であることが判明した。屋外のトイレの穴から毒殺された数体の遺体が見つかったが、身元が特定されないように硫酸で顔を焼かれた上、コンクリートを流し込んで見つかりにくいように処置されていた。その他、新教会の窓やドアに板材が打ち付けられ閉鎖されていたことや、事件直前に教団本部近くの店から大量のガソリンを購入していたことが明らかになった。

 ジョセフは信者と共に死亡したのか、逃亡したのかは明らかになっていないが、事件当日、カバンを持ってバス亭に向かうジョセフを見たという証言もあるため、財産を持って逃亡した可能性は高い。ウガンダ当局はジョセフが自分に対して批判が高まったため反対派を殺害し、その他の信者も集団自殺に見せかけて殺害した後、自分だけ逃亡したと推定し、彼を国際刑事警察機構(インターポール)を通じて国際手配した。

 事件後、予算不足によりおびただしい数の遺体をその場にむき出しのまま放置したり、強烈な悪臭を放つ遺体の掘り起こし作業を囚人たちに行わせたとして、地元警察やウガンダ政府は「神の十戒復古運動も最悪だが、ウガンダという国のシステムも最悪だ」と海外から批判されることとなった。


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